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バリュエーション

PBR(株価純資産倍率)

Price-to-Book Ratio

株価が1株当たり純資産(BVPS)の何倍か — 会社が持つ純資産に対する株価を見る指標。

かんたんに言うと

会社が今すぐ事業をたたんで資産をすべて売り、負債を返した場合、株主に帳簿上残る分が「純資産(自己資本)」です。PBRはその純資産に対して株価が何倍かを見ます。

PBR1倍は、株価が帳簿上の純資産とちょうど同じという意味です。0.8倍なら帳簿価額を下回る値段で、3倍なら帳簿価額の3倍の値段で取引されているということです。

何が分かるか

利益が変動しやすかったり赤字だったりしてPERを使いにくい会社でも、積み上がった資産は比較的安定しているため、PBRで「資産価値に対する株価」を見ることができます。銀行・保険・持株会社のように資産そのものが事業の中心となる業種で特に役立ちます。

PBRは単独よりも、ROE(自己資本利益率)と組み合わせて見るときに本領を発揮します。同じ純資産でも、それで多くの利益を上げる会社(高ROE)には市場がより高いPBRをつけるのが自然だからです。

計算式

PBR = 現在の株価 ÷ 1株当たり純資産(BVPS)
BVPS = 自己資本 ÷ 発行株式数

高いとき・低いときの意味

PBRが1倍未満なら帳簿価額を下回る値段で取引されているということで、資産株や銀行でよく見られます。ただし、事業の不振や資産の劣化への懸念が反映された結果である場合もあります。

ブランド・技術力・顧客基盤のように帳簿に表れにくい無形の価値が大きい会社は、PBRが高く出るのが自然です。PBRが高いこと自体が問題を意味するわけではありません。

留意点

形のない資産(ブランド・技術力など)が大きい今の企業では、PBRの意味合いが弱まります。ソフトウェア・プラットフォーム企業は本当の価値(開発者・コード・ブランド)が帳簿にほとんど表れず純資産が小さく出るため、その結果PBRが数十倍になっても「バブル」と決めつけることはできません。PBRは資産がそのまま価値となる業種でより機能します。

ROEが低い(純資産で利益を上げられていない)場合、低いPBRは機会ではなく「そうなるだけの理由」であることが多いです。そのためPBRだけを見て価格が低いと判断すると落とし穴にはまりやすくなります。機会なのか「そうなるだけの理由」なのかを分けるのはROEです。

自社株を買い入れたり、資産価値を大きく引き下げる会計処理(減損)があったりすると、分母である自己資本が減り、PBRが実際より高く見えることがあります。PBRがなぜその水準なのかは、分母(純資産)がどう構成されているかまで見て初めて正しく読めます。

エピソード

2023年、日本の東京証券取引所は、PBRが1倍に満たない上場企業に対して「改善策を示すように」と異例の働きかけを行いました。PBR1倍未満とは、株価が会社の帳簿上の純資産にも届かないという意味 — 市場がその会社を純資産ほどにも評価していないというサインだからです。

長く低いPBRにとどまっていた日本企業がこの働きかけに自社株買い配当の拡大で応え、株式市場が活気づきました。PBR1倍が企業価値を見るうえでの一つの心理的な分かれ目として働くことを示した、近年の事例です。

一緒に見るとよい指標

実際の銘柄で見る

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Stocklore がこの指標をどう計算しているか(計算式・しきい値・SEC の出典)は算出基準のページで確認できます。

この用語解説は情報提供・参考用であり、特定の銘柄の売買を勧誘するものではありません。投資判断と責任はご利用者本人にあります。