PSR (株価売上高倍率)
時価総額が年間売上高の何倍かを示す指標で、利益が少ない、または赤字の成長企業の評価に使われます。
かんたんに言うと
PSRは、会社全体の価値(時価総額)が1年の売上の何倍かを見る指標です。利益ではなく売上をものさしにします。
たとえば売上高10億ドルの会社の時価総額が50億ドルならPSRは5倍です。まだ利益が出ていない赤字段階でも、売上はあるので規模に対する価値を測ることができます。
何が分かるか
創業初期や積極的に投資している成長企業は、あえて利益を抑えて(研究・マーケティングに注ぎ込んで)いるためPERが意味を持ちません。PSRはこうした会社の「外形に対する市場の評価」を見られるようにしてくれます。
PSRには、この売上高が将来どの程度のマージン(純利益率)で利益になるかという市場の期待が間接的に含まれています。同じ売上高でも、後に多く残せると期待される会社はPSRが高くつけられます。
計算式
PSR = 時価総額 ÷ 売上高(TTM)
高いとき・低いときの意味
PSRが低ければ売上高に対して低く評価されている、高ければ将来の売上成長やマージン拡大への期待が大きく反映されている、と見ることができます。
純利益率が低い業種(小売・卸売など)は、同じ売上から得られる利益が少ないため、PSRも低く出るのが通常です。ですから業種が違うとPSR同士を比べることはできません。
PSRの最大の弱点は「どれだけ手元に残るか(マージン)をまったく見ない」ことです。売上がどれだけ大きくても赤字を積み上げる会社と、同じ売上でしっかり残す会社が、同じPSRに見えることがあります。ですからPSRだけではその二つは分かれず、純利益率・営業利益率が隣にあってこそ見えてきます。
高成長・赤字の企業にはPERの代わりにPSRがよく使われますが、逆に利益が出ずPSRしか使えないという状況自体が危険信号であることもあります。売上高は速く伸びていても現金が流出し続けているなら、PSRが低くても安心はできません(キャッシュフロー・FCFの確認が必要です)。
売上の計上方法は業種や会社ごとに異なります。仲介やプラットフォーム企業は取引額全体を売上として計上する場合もあるため、見かけのPSRが同じでも、その中身である売上の「質」が違うことがあります。
ドットコムバブルの頃、サン・マイクロシステムズはPSR(株価売上高倍率)が10倍を超える水準で取引されていました。バブルが崩壊した後、同社CEOのスコット・マクニーリはあるインタビューで投資家にこう問い返し、話題になりました。
「PSR10倍というのは、私が売上を一銭も使わず10年間すべて株主の皆さんにお配りしても、ようやく元が取れるという意味です。そのためには従業員の給料も、税金も、研究開発も全部ゼロでなければなりません。いったい何を考えてその値段で買われたのですか?」売上だけを見て高い値段を払うことがどれほど危険かを指摘した、PSRの限界を示す有名なエピソードです。
一緒に見るとよい指標
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この用語解説は情報提供・参考用であり、特定の銘柄の売買を勧誘するものではありません。投資判断と責任はご利用者本人にあります。