ROIC(投下資本利益率)
事業に実際に投じられた資本で本業がどれだけ稼ぐか — 資本を調達するコストを上回るかで価値創出をはかります。
かんたんに言うと
ROICは「事業に実際に入ったお金(負債 + 株主資本から、使わずに積んである現金を引いた金額)で本業がどれだけ稼ぐか」を見ます。ROE・ROAよりもう一歩踏み込み、会計上のノイズを取り除いて本業の本当の資本効率を見ようとする指標です。
「税引後営業利益」は、本業で稼いだ営業利益から税金分だけを差し引いた値です。利息や一度きりの損益が混ざる前の、本業が稼いだ利益に近いものです。
何が分かるか
ROICの本当の使いどころは「資本を調達するのにかかるコスト」(おおよそ8〜10%)と比べるところにあります。ROICがこのコストを継続して上回っていれば、その会社は事業を伸ばすほど価値が増える構造です。逆に下回っていれば、規模が大きくなっても株主価値はむしろ削られます。
そのためROICは単なる収益性を超えて、「この会社が他社に簡単には真似できない競争優位を持っているか」をはかる中心的なものさしとして使われます。
計算式
ROIC = 税引後営業利益 ÷ 投下資本 税引後営業利益 = 営業利益 × (1 − 実効税率) 投下資本 = 有利子負債合計 + 自己資本 − 現金同等物
高いとき・低いときの意味
ROICが資本を調達するコストを上回れば、動かしたお金より多く稼ぐ、価値を生む構造です。そのコストを下回ると、規模が大きくなっても株主価値は増えないことがあります。
ROEと合わせて見ると、高いROEが事業力から来ているのか(ROICも高い)、負債から来ているのか(ROICは低い)を見分けられます。
大型の買収を行った会社はROICが低く出ることがあります。他社を買うときに上乗せした金額(のれん)が分母(投下資本)を大きくするためです。事業自体が良くても高い価格で買収していればROICは抑えられます。このときの低いROICは事業力ではなく買収価格の話です。
ROICは計算式が一つに定まっているわけではありません(現金・リースなどを入れる・外す基準が人によって異なります)。そのため他の出典の値と1:1で比べるより、同じ基準で計算した推移と「資本を調達するコストに対する位置」で見るほうが安全です(Stocklore は算式を方法論に公開しています)。
税率(実効税率)が取得できない場合は仮定値(米国21%)を使うため、税務構造が特殊な会社では税引後利益の計算に多少の推定が混ざることがあります。
一緒に見るとよい指標
実際の銘柄で見る
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この用語解説は情報提供・参考用であり、特定の銘柄の売買を勧誘するものではありません。投資判断と責任はご利用者本人にあります。