売上総利益率(粗利率)
売上から製品を作る直接原価(売上原価)を差し引いた売上総利益の比率 — 利益段階の中で最も上流の収益性。
かんたんに言うと
パン屋がパンを1ドルで売るのに、小麦粉やバターなどの材料費が0.4ドルかかったなら、パン1個で0.6ドル残ります。売上の60%が残ったわけです。この60%が売上総利益率です。
ここで差し引くのは「物を作るのに直接かかった費用(売上原価)」だけです。広告費・管理費・賃料などはまだ引いていません。ですから売上総利益率は利益段階の一番上、「原価だけを引いた一次的な収益性」を見ます。
何が分かるか
売上総利益率は、その会社が「原価にどれだけ上乗せして売れるか」— つまり製品価格を決める力(プライシングパワー)を最初に示します。ブランドが強かったり代替品がないほど高くなります。
営業利益・純利益は、ここから販売費・管理費・税金を順に差し引いて出てきます。ですから売上総利益率はすべての利益率の出発点であり、これが低いと下の段階でいくら費用を減らしても限界があります。
計算式
売上総利益率 = 売上総利益 ÷ 売上 × 100 売上総利益 = 売上 − 売上原価(COGS)
高いとき・低いときの意味
売上総利益率が高いほど、原価に対して高い値段で売る力があるという意味です。一度作れば複製コストがほぼ0のソフトウェアは80%台も珍しくなく、物を仕入れて売る流通・製造は一桁〜30%台が一般的です。
推移が上がれば価格を上げたか原価が下がった signal、下がれば原材料価格の上昇や価格競争に押されている signal として読めます。
業種ごとに標準的な水準がまったく異なるため、売上総利益率だけで会社の優劣は決まりません。マージンが薄くても速く大量に売る事業(スーパー)と、マージンが厚くても少なく売る事業(高級品)は、稼ぎ方が違うだけです。
会社ごとにどこまでを「売上原価」に入れるかが異なります。物流費や減価償却を原価に入れる会社と販管費に入れる会社では売上総利益率が違って出るため、同じ業種でも1:1で比べるとずれることがあります。
売上総利益率が高くても、その下の販売費・管理費が多くかかると営業利益率は大きく下がることがあります。一段上の数字だけを見ず、営業利益率まで一緒に見ることで、実際に手元に残る商売かどうかが見えてきます。
一緒に見るとよい指標
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この用語解説は情報提供・参考用であり、特定の銘柄の売買を勧誘するものではありません。投資判断と責任はご利用者本人にあります。